粒子線励起X線分析
PIXE (Particle Induced X-ray Emission)
PIXEはイオンビームを物質に照射した際に放出される特性X線を測定する非破壊の元素分析法です(図1)。
電子ビームに比べて、イオンビームは制動放射による連続エネルギーX線の放出が極めて少ないので、原子の特性X線スペクトルピークを検出しやすくなります。そのため、 PIXEは物質中の微量元素の分析に向いています。

PIXEではNa~Uまでの ppm レベルの元素が検出可能で、液体・気体・粉体などの試料も分析できます。固体試料の場合は、試料片をスライドガラス上に固定し、液体試料は薄膜上で蒸発乾固して測定します。
不均質試料の場合は、ビーム径を10~20mmまで絞り、顕微鏡で観察しながら微小領域を分析します。また、カプトンフィルム等を通過させたビームにより、大気中の試料を分析することもできます。
表1は応用例の一覧で、PIXEは理工学分野のみならず、医学・生物学、環境科学、地球科学、文化財、考古学に関連する広範な分野で利用されていることがわかります。
図2は鉱物の割れ目や隙間に捕獲された「流体包有物」で、そのPIXE分析から、地下深部での流体挙動の追跡を行うことができます。
図3は、流体包有物(試料表面からの深さ~10mm)のPIXE測定データで、そこに含まれる様々な元素の種類と濃度を知ることができます。

図1測定原理
表1PIXEの応用例
■薄膜の組成分析
■血液・脳・毛髪の微量元素
■エアロゾル分析
■絵画・コインの非破壊分析
■岩石中の貴金属分析
■書物のインク分析
■流体包有物分析
